- はい、じゃあ……。
- よろしくお願いします。
- はは……。
- なんか照れるな。
- うん、久しぶりだから……。
- ……うん、そうだね。たぶん両親が断ってくれたんだと思う。
- 仕事のこと以外でも有名になっちゃったから。
- わ。
- ……あはは、いきなり撮るからびっくりした。
- はい、普通にしてます。え? 学校のこと?
- そうだなあ……。和泉は元気ですよ。相変わらず。
- 和泉と上手くやれそうです?
- ふふ……随分嫌われてるみたいですけど。
- 俺はね、もう経験済み。仲悪い相手と一緒に暮らすのは。
- え? あ、そうか……。
- うん、ちょっとは仲良くなったかな。
- じゃあ、上手くいくかもしれませんね。新しい生活。
- え……? あはは、本当に? 賢太郎が?
- 意外だなあ、なんかかわいい。
- あ、はい。上着だけ?
- はは……。それで、その後どうしたんですか?
- えー!
- あはは、ウケるんですけど。みんなに報告しなきゃ……。
- ネクタイ? はい、取りますね。
- ふふ……。上手く取れない……。
- いえいえ、疲れてないです。
- ん、大丈夫。
- 得意なんですよ、じっとしてるのは。
- あはは。本当だって、嘘じゃないもん。
- やだ、笑わせないで……。真面目な顔出来なくなる。
- うん、そうそう。……ああ、わかります、それ!
- ……シャツも? うーん……。
- ん。……はは。
- いいよ。じゃあ、格好良く写してね。
- あ……。
- あのベッドに寝ればいいです?
- ふふ……。
- ベッドとか寝ちゃうなあ、俺……。
- 寝ちゃったら起こしてね、石野さん。